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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その855
鈴木由美子・宮里智恵・森川敦子編著「子供が変わる道徳授業―小中学校タイプ別授業事例集―」 (渓水社 本体:2100円)
道徳科になって,「問題解決的学習」「考え議論する授業」「体験的学習」などが強調されるようになった。若い先生方は,「道徳科の授業」をどのように進めたらいいものかと頭を抱えている。ベテランの先生方は,今まで身に付けてきた授業の進め方をどう変えたらよいものかと迷っている。
実は,本書は平成26年(まだ新学習指導要領が告示されていなかった)に刊行されたもので,「古い」部分が多少あるかもしれない。でも,道徳科の授業の在り方・進め方を「ゼロ」から出発させるのではなく,今あることを改善し,新しい発想を加えることによって「創造できる」のではないかという思いで紹介することにした次第である。
本書を,若いフレッシュの視点から,ベテランの鋭い目線で,クリティカル・リーディングをして,クリティカル・シンキングをして,新学習指導要領が求める「道徳科の授業」を創る(創り続ける)手掛かりにしていただきたい。では,「前向きに授業づくりを続ける」実践の本書の内容を紹介しよう。
第1章「タイプ別道徳授業とは(心情タイプの道徳授業,心情ジレンマタイプの道徳授業,プログラムタイプの道徳授業,コラム1道徳的思考と価値観)」,第2章「小学校低学年の道徳授業(心情タイプの道徳授業の展開,心情ジレンマタイプの道徳授業の展開,プログラムタイプの道徳授業の展開,コラム2あなたにもありませんか?道徳授業の困りごと)」,第3章「小学校中学年の道徳授業(第2章に同じ,コラム3役割演技の活用法)」,第4章「小学校高学年の道徳授業(第2章に同じ,コラム4道徳授業ってどんな色?)」,第5章「中学校の道徳授業(心情タイプの道徳授業の展開1&2,コラム5道徳授業における常識&タブーの思わぬ落とし穴,心情ジレンマタイプの道徳授業の展開1&2,プログラムタイプの道徳授業の展開,コラム6教科と道徳教育)」。