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書評:小島宏の気になる1冊その857

ブルック・バーカー著,服部京子訳「せつない動物図鑑(SAD ANIMAL FACTS by Brook Barker)」  (ダイヤモンド社 本体:1000円)


 著者は作家・イラストレイターで,本書が初めての著書(2016年)である。ニューヨーク・タイムズ&ロサンゼルス・タイムスで紹介されたのがきっかけで,日本(2017年7月)をはじめ世界各国で翻訳出版された。

 本書は,「せつない」という表現を使っているが,実は私たちが想像もつかない「動物たちの特徴や真実」を,1「せつない真実」2「解説」3「ミニ図鑑(大きさ,生息地,説明)」と,わかりやすく解説してくれる。動物好きな人にはたまらない1冊である。今,この種の本がたくさん出回っているが,もしかしたら本書が発想の源泉なのだろうか(?)。

 内容は,1「ちょっとした,せつない告白(ワニの脳はオレオより軽い,カラスは嫌いな人間の顔を忘れないなど24種の生き物の「せつない」の紹介)」,2「できなくてせつない(フクロウの目玉は動かない,トリは宇宙へ行けないなど12種の紹介)」,3「恋はせつない(クジャクのオスはモテるふりをするために鳴く,コオロギのメスは鳴かないなど7種の紹介)」,4「そのこだわりがせつない(セイウチは獲物にフーフー息をかけて食べる,カモノハシは目をつむって泳ぐなど7種の生き物の紹介)」,5「へんてこでせつない(パンダはどこでも寝る,ツチネズミには心臓が5つあるなど20種の紹介)」,6「すごいけどせつない(ラクダは100Lの水を15分で飲みほす,キーウイはいやな思い出を5年間忘れないなど14種の紹介)」,7「おとなになるのはせつない(ゾウの子どもは鼻をしゃぶる,おとなのホタルは何も食べないなど11種の紹介)」,8「さみしくてせつない(オンチなクジラは迷子になる,タコには友達がいないなど6種の生き物の紹介)」,9「子育てってせつない(ホシガメの性別は気温しだいで変わる,クモの母親は子どもに自分を食べさせるなど10種の生き物の紹介)」と,目次を見て「あれッ!」と思ったところを読んで楽しめるようにできている。