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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その861
「総合教育技術2018年2月号」 (小学館 本体:1000円)
今月号の総力大特集は,平成30年度からの移行措置を経て完全実施を見据え,特に特別支援教育の充実が求められていることに応える「改訂のポイントと指導法を徹底解説・新学習指導要領時代の特別支援教育」である。具体的には,PART1「インクルーシブ教育のさらなる推進へ―新学習指導要領で特別支援教育はどう変わるか(改訂のポイントと徹底解説,田中裕一:調査官に聞く改訂の方向性とポイント)」,PART2「5つの観点から考える特別支援教育充実のポイント(観点➀名執宗彦:インクルーシブ教育の推進,観点➁三浦光哉:特別支援教育における「主体的・対話的で深い学び,観点➂武富博文:特別支援教育で求められるカリキュラム・マネジメンメント,観点④原田浩司:「チームとしての学校による特別支援教育の充実,観点⑤山口禎恵:特別支援教育におけるICTの活用」と,簡潔&明解で充実している。
特集2は,教科書を読めない子どもたちのいることについての問題提起レポートで,「リーディングスキル基礎的読解力を育てる!」である。用語解説「リーディングスキルテストでわかる日本の学校教育の現状とは?」,提言「AI時代を生きる日本の子どもたちにリーディングスキルは必要不可欠」国立情報学研究所新井紀子,市教委の挑戦「2年間で学力が急上昇した要因の一つはリーディングスキルテストの共同研究」埼玉県戸田市教育委員会,小学校実践例「リーディングスキルを意識した授業をアクティブ・ラーニングの中で実践」埼玉県戸田市立戸田第二小学校と,理論と具体的実践を通して,「基礎的読解力」の向上を教えてくれる。
また,平成29年度第53回「わたしの教育記録」の特選発表の「全入選作品講評(秋田喜代美,梶田叡一,永井順國,吉永幸司)」と,「特選受賞作品の全文掲載(八王子市立中山小学校武田悠先生ほか)」は,子どもたちに質の高い教育を保障するための授業改善の視点と具体的な方法を示唆してくれる。