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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その864
「中教審の働き方改革(中間まとめ)」(中央教育審議会 文科省ホームページ)
平成29年12月22日の中教審の特別部会の中間まとめ,長~い表題の「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」を尊敬するN氏から送ってもらい,只今勉強中である。
その中で学校が担うべき業務を大きく分類し「学習指導要領等を基準として編成された教育課程に基づく学習指導(注:授業)」「児童生徒の人格の形成を助けるために必要不可欠な生徒指導・進路指導(注:生活指導,キャリア教育)」「保護者・地域等と連携を進めながら,これら教育課程の実施や生徒指導の実施に必要な学級経営や学校運営業務(注:いわゆる校務分掌?)」が示されている。これらに加えて,その関連業務についても範囲が曖昧なまま行われている実態があると指摘されている。
そして,基本的には学校以外(地方公共団体等,教育委員会,保護者,地域ボランティア等)が担うべき業務として「➀登下校に関する対応,➁放課後や夜間における見回り,児童生徒が補導されたときの対応,③学校徴収金の徴収・管理,④地域ボランティアとの連絡調整」,学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務「⑤調査・統計等への回答等,⑥児童生徒の休み時間における対応,⑦校内清掃,⑧部活動については学校の判断で実施しないことができる。実施する場合は学校教育の移管で業務であるが,必ずしも教師の業務ではない」,教師の業務だが負担軽減が可能な業務「⑨給食時の対応,⑩授業準備,⑪学習評価や成績処理,⑫学校行事の準備・運営,⑬進路指導,⑭支援が必要な児童生徒・家庭への対応(⑨については学級担任と栄養教諭等との連携,⑩⑪における補助的業務はサポートスタッフ等が担い,⑫のうち児童生徒の指導に直接かかわらない業務については事務職員や民間委託等の外部人材等が担う,⑬も⑫に同じ,⑭は一部をスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフが担う)」と,整理されている。
学習指導要領に示された各教科等の目標・内容,それを指導する授業時数が定められている。従って,単純に,教師の業務を,「授業の計画・準備,授業の実施,評価(教師の授業の効果の評価,児童生徒の学習成果の評価)と改善(指導計画と指導法の改善・工夫,児童生徒の学習の評価結果の通知と活用)」に重点化して,「児童生徒に質の高い教育を保障する」ことに絞り込んで「働き方改革」を進めたらいかがなものか。後期高齢者の思い違いかな?