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書評:小島宏の気になる1冊その866
日本地名研究所編「地名と風土 第11号」(日本地名研究所 本体:1500円)
本誌は,地味ではあるが知る人ぞ知る毎年1回発行の「人間と大地をむすぶ情報誌」である。古くからの友人の小田富英氏がかかわっていることもあって,愛読している。
あちこちの散策を趣味としている友人が本書を見て,こういうのがあると散策が一層楽しくなると気に入ったようだった。
本号の内容は次のような構成になっている(少し,学問的なので,じっくり読むことが必要である)。
<巻頭言>関和彦「地名は地命」。<論文>金田久璋「信仰地名論再考―グラビア写真&ニソの杜・ダイジョゴン・アイノコトを主に―」など4論文。
<特集1>「災害地名と町つくり―地名研究者としてどうかかわるか―」滝口昭二「地名研究者としての関わりと展望」,小崎龍也「阿蘇蹴破り伝説が示唆した熊本地震」,田中弘倫「地名・減災と街づくり」。
<連載>高橋治「地名研究の先達・郷土と地名―都丸十九一の地名研究」,児島恭子「アイヌ語と地名・チャシ地名について」,小田富英「地名学習のすすめ―言語芸術と生涯学習を視野に入れて―」。
そのほか「地名へのひとこと(佐藤伸二,説田武紀,田道壽雄,原薫,松尾裕,村上均)」,「地名談話室(金田久璋,澤口宏,鈴木富雄,太宰幸子,田中弘倫,長瀬尚武,長谷川勲,中江徹)」,コラム「武蔵と鉄道」福田行高,「新編武蔵風土記稿と柳田國男」小田富英と,地名に関する情報が溢れている。
なお,本誌は,今号から書店でも購入できます。ちなみに12号は平成30年3月発行です。(日本地名研究所では,随時会員募集を行っています。関心のある方は,☎044-812-1106まで。)