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書評:小島宏の気になる1冊その872

知花くらら著「くららと言葉」 (講談社 本体:1500円)


 著者は 雑誌モデル,TV出演,CMなどで,国連WFP日本大使としても活躍中である。著者が様々な機会に出会い,感動した「言葉」を自分流に解き明かしたもので,その深さに後期高齢者(いたずらに年を重ねただけである)の私も脱帽しなければならないところがたくさんあった。

 本書は初めてのエッセイで,世界全体と未来を見据え美しく生きるためのヒントを,読者に与えたいのだという。(表紙の帯より)

 内容は次のような構成になっている。1話は数頁で,読みやすく「なるほど!」と感じることが散りばめられている。

 1「世界(世界では9人に1人が飢えている。100やらなくていい,10でも1でもいい,それよりずっといいから。人々の苦しみに接するたびに,沸き上がった怒りと悲しみが,いつでも,この仕事を続ける原動力でした(緒方貞子)。など20の言葉について)」,2「家族(わが日本いにしえより今に至るまで哲学なし。もしあなたが有名になったり,お金持ちになったりしたらその影響力で他の人々に何か貢献できることを覚えておいてね(著者の母)。など10の言葉について)」,3「哲学(いちばんたいせつなことは,目に見えない(サン・テグジュベリ)。哲学し,行動する花となれ(著者)。など18の言葉について)」,4「未来(力のある人は汗を出す,知恵のあるものは知恵を出す,金のあるものは金を出す,命のあるものは命を出す。みんなで手をつないで,仲よくすればいいのにね。など5つの言葉について)」,そして「あこがれの人 黒柳徹子さんとの対談―自分らしく育るために大切なこと―女性としての生き方,そしてユニセフの活動」で締めている。