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書評:小島宏の気になる1冊その881

坂井建雄著「面白くて眠れなくなる人体」(編集協力:豊田恵子,デザイン&イラスト:宇田川由美子)(PHP文庫 本体:660円)


 最近,「面白くて眠れなくなる〇〇」という類の本が目につく。そこで,後期高齢者の自分と関わりがあり,孫との会話のネタにでもと,本書を手に取った。 

 どうということはない。「体」に関するたわいのない「物知り」本だと思ったが,読み進めるうちに結構,科学的で「話をするときと,食べ物を飲み込むことは瞬時に切り替えている」が,高齢者は「その機能が衰えてくるので,むせたり,誤嚥する確率が高くなる」ので,「注意したほうがいい」(p26「とても器用なノド―呼吸する,食べる,声を出し」より)と,いいことを易しく(優しく)教えてくれる。

 「はじめに」,PART1「人体は不思議に満ちている-誰かに話したくなる人体の話―その1(もぐもぐと哺乳類の進化,ウンコは食物のカスではない,クシャミとシャックリとセキはどう違う,体脂肪計で脂肪量がわかるのはなぜ?,CTとMRIの違いとしくみなど13の面白い話題)」,PART2「面白くて眠れなくなる人体-誰かに話したくなる人体のはなし2(黒い瞳と青い瞳では見えている色が違う?,長時間携帯を見ると視界がぼやけるしくみ,鼻をつまむと味がわからなくなるのはなぜ?,敏感な皮膚と鈍感な皮膚など12の面白い話題)」,PART3「人体は小宇宙-誰かに話したくなる人体のはなし(男女の性別はどうやって決まる?,脳はどうして生まれた?,最も進化した内臓―肝臓など6の面白い話題)」と,医学的なことも知ることができる。「おわりに」,「文庫本あとがき」,そして専門的にもう少し学びたい人のために「参考文献」。