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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その884
アリスン・マギー作・ユ・テウン絵・なかむらちひろ訳「たくさんのドア So Many Days」(主婦の友社 本体:1300円)
表紙カバーの折り込み部分に「ドアのむこうにはなにがあるんだろう?」とある。そして,「きょうも あしたも あなたには たくさんの ドアを あけていく そのむこうには たくさんの あたらしいことが まっている」とあり,子供が落葉がはらはらと散る中をまっすぐに歩いていく絵が描かれているページがあり,物語は展開していく。
子供の好奇心をくすぐり,夢を膨らませ,前向きに進んでいくことを奨励している素晴らしい絵本である。「でもね・・・」困ったことや困難に出会うこともあるよ。「しかし・・・」それを乗り越えていくと,「素晴らしいあなたの世界が待っているよ」と,人生の初歩を教えてくれる。
小学校低学年までの子供に,「自分で読ませる」「読み聞かせる」「一緒に語り合いながら読む」には,うってつけの1冊である。
小学校の教室だったら,ICTを使って拡大して提示し,それを担任の先生が,心を込めて読み聞かせたら素晴らしい読書指導になると思われる。
僅か30頁,22話ではあるが,子供たちがここから学び取ることは多くあると思う。