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教育研究所
書評:寺崎千秋の気になる1冊 888
尾原和啓著 『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体新書』 (幻冬社 本体:1500円))
「若い人達の仕事・勤務ぶりがよくわからない,どう対応すればよいのか」という声を相変わらず聞く。そんな人々は是非本書を読んでもらい,30代以下の人々の生き方や仕事への動機づけを理解する必要がある。一方,30代未満の若手にも読んでほしい。自分たちが上の世代からどう捉えられているのかを知るとともに自らの世代の特質とその生かし方を知ることは必要なことだからである。
30代以下と上の世代,特に団塊世代以上の人々との違いを著者は「乾いている」「乾けない」としている。上の世代は「乾けない世代」のモチベーションの正体を正しく理解しなければ,チームとして人と仕事を上手く動かすことは出来ないと著者は警告する。その意味で本書を「乾けない世代」の取り扱い説明書とし,具体的な説明で理解できる。
では,この乾けない世代をどう動かしていけばよいのか。まずは,「変動が大きく,不確実で,複雑に絡み合い,曖昧」な時代であることの認識が必要。その上で方法論がいろいろ紹介されている。「チームのあり方は5レンジャー」,「自分の強みをストレングス・ファインダーで把握」に始まり,他者との関係,組織とのかかわりなど,具体的に広げ深めていく。自己啓発する上で参考になる手法が多く示されている。