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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その896

「月刊・教職研修2018年3月号」(教育開発研究所 本体:954円)


 新学習指導要領の円滑な完全実施に向けて移行措置や校内研修が,各学校・教職員に求められている。一方で,教職員の働き方改革が議論されているが,この両者をどのように調整したものか悩んでいるのが正直な所であろう。

 本書は,そのあたりに焦点を当て,<特集1>「多忙ななかでも「主体的・対話的な深い学び」を生み出す「校内研修」―PDCAサイクルを回して,効果的かつ効果的に」を組み,「自校の校内研修実態把握リスト」「教職員に意欲を持たせる校内研修へ」山形大学教授野口徹,「授業研究の効果を高める」慶應義塾大学准教授藤本和久,「主体的・対話的で深い学びを生み出す授業研究とは」国学院大学教授田村学,「校内研修のPDCAサイクルをどう回すか」国研統括研究官千々布敏弥,「主体的・対話的で深い学びとワークショップの親和性」甲南女子大学教授村川雅弘,「ワークショップは効率的なのか」星槎大学教授三田地真実,「民間企業の研修はどれくらいのコストをかけているか」プラネットファイブ代表取締役田中和彦と,いう構成で具体的な意見や提案がなされている。

 第2特集は,「実施直前!移行措置最終チェック」で,教務主任を中心に,平成30年度直前のチーム学校の共通理解に役立つ内容である。

 また,恒例の<巻頭インタビュー>は,群馬大学准教授・スピーチコンサルタントの矢野香さんの「校長・教頭のやってはいけない話しグセ」で,耳の痛い話であるが「なるほど!」と,目から鱗である。新任校長として4月を迎える校長先生に,ぜひ目を通していただきたい。