ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その898
教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その898
「道徳と特別活動2018年1月号」 (ぶんけい 定価:750円)
今号では,道徳科の実施直前に当たって<緊急特集>「特別の教科 道徳の評価はどうあるべきか」を組んでいる。学校現場が,「何処に向かって」,「何を」,「どう進めたらいいか」と迷っているだけに,誠に時宜を得た特集である。簡潔,明瞭で,説得力のある「論考」「実践紹介」「資料」から多くのことを学び取り,30年度からの道徳科の実践に生かすことがことができる。
<論考>「特別の教科道徳の評価を理解する―これまでの道徳教育の評価と新たに加わる道徳科の評価」文科省教科調査官浅見哲也,<資料>「小学校学習指導要領解説特別の教科道徳編第5章」,<実践紹介>「児童を認め励ます道徳科の評価―通知表と指導要録の所見」日野市立夢が丘小学校主幹教諭安田尚民,「道徳的価値の理解の深まりを見取る―児童の自己評価を活用して」所沢市立並木小学校教諭丸山沙織,「道徳科の見取りとは,何をどのように行うとよいか―学習状況と道徳性の実態把握を活かして」岐阜市立岩野田北小学校教諭小木曽陽子,「評価について―通知表への記載」那覇市立那覇小学校長松田敦子,「道徳科の評価方法―継続的に児童の変容を把握するために」中野区立塔山小学校指導教諭幸阪芽吹,「児童の成長や変容を適切に評価する―価値観の四類型と観察を中心として」江東区立第四砂町小学校主任教諭中澤幸子と,内容は濃密で,ヒント満載である。
また,<連載>帝京大学教授赤堀博行「道徳科の内容に含まれる道徳的価値の考察と確かな指導観の確立のために」,文科省教科調査官安部恭子「資質・能力を育む特別活動の指導」,東松山市立松山第一小学校長稲垣孝章「道徳と特別活動を支える学級経営の3つの柱」,明星大学教授大原龍一「考え,議論する道徳を攻略する道徳授業タクティクス」も読み応えがある。
さらに,実践赤ペンチェックも,<道徳編>指導者全小道顧問馬場喜久雄・実践者杉並区立杉並第一小学校教諭細谷侑里加「話し合い活動を中心とした授業実践」,<特別活動編>指導者全特活参与木内悦雄・実践者浜松市立和田小学校教諭太田愛子「より良い人間関係を基板とした話し合い活動」と,指導を受ける教師にとっても,その道の先輩として指導する側にとっても役立つ内容である。