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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その909
(一財)理数教育研究所編集「Rimse2018年NO.21」(非売品 http://www.rimse.or.jp で閲覧可能))
本誌「Rimse」とは,理数化教育をサポートする目的で設立された理数科教育研究所が発行しているもので,Research Institute for Mathematics and Science Educationの略である。
今号の特集は,新小学校学習指導要領(平成32年度から完全実施)で新しく導入された「プラグラミング教育で育てたい力」を取り上げている。内容は,下記のように参考になる。新小学校学習指導要領解説総則編(平成29年7月),同算数編,同理科編,同特別活動編などを合わせ読み,無理のないしかも適切な「プログラミング教育」の実現を目指して研究し,実践し,そして改善し続けていただきたい。
Ⅰ「プログラミング教育のねらい(重要な社会の変化,日本の教育の強みと弱み,新学習指導要領における情報活用能力,プログラム教育の充実,プログラミング教育ではぐくまれるもの)」文科省初等中等教育局視学官安彦広斉,Ⅱ「これならできる小学校でのプログラミング(プログラミングの位置づけ,小学校におけるプログラミング言語,移行期間に教委と学校のすべきこと)」情報通信総合研究所特別研究員平井聡一郎,Ⅲ「すべての学校でプログラミング教育を実現するために―柏市教育委員会の取組(柏市の目指す教育の方向性,柏市プログラミング教育の考え方と実際,プログラミング教育と学力)」。
また,塩野直道記念「第5回算数・数学自由研究」作品コンクールの受賞作品が紹介されている。同「とばしすうであそぼう」小1福田彬仁さん,同「コーヒーは月に浮かぶの?」小5香田倫果さん,文部科学大臣賞「印象派の言語たち」中2クローンファニー桜子さん,Rimse理事長賞「パスカル的三角形とフィナボッチ的数列を作り出すカードゲームに関する研究」高2鈴木翔大さん&北川将さん,読売新聞社賞「アイスより当たります」中2佐藤雅姫さん,内田洋行賞「月はどうしてはなれていかないように見えるの?」小5西田香穂さん,学研賞「たくさんのお茶を飲みたい!茶畑の形のなぞにせまることにした!」小1安田貫志さん,日本数学検定協会賞「フィナボッチ数列は2進数でも美しいのか」中3吉田桃子さん,審査委員会特別賞「まわりしょうぎで金のさか立ちはいつできるの?」小2田中煌人さん,同「0.01秒でも速く!リレー攻略法」小6丸山藍生さん,同「『ちょっと』ってどれくらい?」小6重本慧さん,同「2項係数を含む和と変形パスカルの三角形」高3大江亮輔さんと,テーマだけ見ても受賞者の独創性が伝わってくる。自由研究を算数・数学でも挑戦させる参考にしたい。