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書評:小島宏の気になる1冊その918

国立教育政策研究所教育課程研究センター編著「発達や学びをつなぐスタートカリキュラム―スタートカリキュラム導入・実践の手引き」(文部科学省 非売品<国研ウェブサイトで公開されている>)


 新小学校学習指導要領総則において,幼児期に受けた教育を踏まえて,児童が教育活動を主体的に進められるようにするためにはスタートカリキュラムが重要かつ必要である。と言われながら,スタートカリキュラムをどのように編成し,具体的にどのように実施していけばいいのかということについてはっきりしなかった。

 そこで,国研では,本冊子「スタートカリキュラムの導入や実践に関する手引き」を作成し,このカリキュラムの推進・充実を図ることにした。誠に画期的な学校現場への支援策である。

 本冊子の構成は次のようになっており,「スタートカリキュラムの基本的な考え方と,幼児期の教育を踏まえた各教科の実践事例の詳しい解説」「スタートカリキュラムの質の向上に向けた取組をPDCAサイクルをもとに解説」を柱にまとめている。本冊子を精読し,関連幼稚園と小学校の教職員が共通理解して,幼小一貫教育,幼小連携教育,幼稚園と小学校の円滑な接続などについて検討し,計画し,実施していく上で参考にしてほしい。

 第1章「スタートカリキュラムの必要性(学習指導要領におけるスタートカリキュラムの位置づけなど3節)」,第2章「スタートカリキュラムをデザインしよう(スタートカリキュラムをデザインする基本的な考え方など2節3項目)」,第3章「スタートカリキュラムを実践しよう(生活科を中心とした学習活動の実践事例,安心して学校生活を送るための活動の実践事例など4節)」,第4章「スタートカリキュラムのマネジメント(<Plan>校内組織を立ち上げて準備しよう,<Do>全校で協力体制を組み,見守り,育てる,<Check>子供の姿・指導の在り方を語り合おう,<Action>時期を捉えて,反省・検証・改善しようの4節12項目)」と,理論と実際を具体的に学び取ることができる。