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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その921
「教職研修2018年4月号」 (教育開発研究所 本体:1000円)
学校では,働き方改革の話題で持ちきりである。「時間管理をしっかりしなさい」,「残業をしないで済む働き方をしなさい」などと言われても,仕事全体の量が変わらないのだから「何を言ってるのか!」と言うのが,現場サイドの正直な気持ちのようである。私の知っている大手の企業では「午前8時前の出勤は厳禁!」となったようであるが,やはり仕事の量は変わらないので,どのように対処するのか社員の工夫をそのうちお聞きして,学校の働き方改革に取り入れてみようと思っている。
ということで,今月号の「巻頭インタビュー」と「特集1」は,「働き方改革」を取り上げている。4月からの移行措置に対応しながら「働き方改革」についても,自分事として,「子供と向き合う時間」を確保しつつ「教師として自己の能力向上に努める」とともに「自分らしく生きる」ことに時間を有効に使いたい。そのヒントになるかどうかは,ご一読のあとに・・・。
<巻頭インタビュー>高橋道和「働き方改革,新学習指導要領,校長のマネジメント―2018年度の学校に求められること―」。
<特集1>「管理職に求められる学校の「働き方」マネジメント―文科省「緊急対策」から見えたこれからの管理職蔵」,放送大学教授小川正人「勤務体制(給特法)の見直しと「働き方」マネジメント」,国研名誉所員小松郁夫「学校経営に「働き方」をどう位置付けるか」,明星大学教授樋口修資「勤務時間管理のポイント」,愛媛大学教授露口健司「学校管理職の組織マネジメント」,日本大学教授佐藤晴雄「保護者・地域との関係のマネジメント」,宮城教育大学准教授神谷拓「部活動のマネジメント」,もくせい学園施設長大野朗久「管理職自身の仕事の減らし方」と,多様な視点から解説している。忙しい人は,論文冒頭のポイント①②③を手掛かりにできる。
<特集2>「通常学級における特別支援教育・悩める担任をどう支援するか」,「【アンケート】気になる子についての私たちの不安・担任の「本音調査」最高のスタートを切るために"本当に"求められる担任支援」,「学級づくり①―チーム学校づくりを通しての担任支援」鯖江市立惜陰小学校長林哲治,「学級づくり②―困っている子供に寄り添い続ける」広島市立牛田中学校長三村千秋,「校内体制―全校体制で取り組むための工夫」調布市立飛田給小学校長山中ともえ,「保護者対応―「困っている」保護者という目線を」舞鶴市教育委員会学校経営アドバイザー後野文雄と,多様な視点から学級担任の悩みに対応した内容になっている。