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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その925
川村二郎著「学はあってもバカはバカ」 (ワック株式会社 本体:920円)
なんとも意味深な題名の本である。この本を読むようにと勧めてくれた友人Nさんは,実は「あなたは,一応大学は出て,それなりに活躍しているように見えるが,バカだ!(知識はあっても知恵がない)」と思っているのかと疑ってしまった。ゴメンナサイ。
朝日新聞記者,週刊朝日編集長,朝日新聞編集委員など輝かしい経歴を持つ著者が,「文句言う之助」よろしく,朝日新聞をイジリながらマスコミから政治問題,日本語の遣い方(漢字の読み方,敬語の遣い方,状況の表現の仕方,アクセントなど),食文化などまで縦横無尽に言いたい放題である。データに基づき,実体験(自分で見たこと)に基づき,論理的で,5W1Hで明解に論じているのでわかりやすく堪能した。そして,学ぶことが多々くあった。
ネタばらしにならないように,目次だけ紹介する。Ⅰ「偏差値秀才が国や会社を滅ぼす(学はあってもバカはバカなど2つの話題)」,「Ⅱ志は高く。目線は低く(アイディア・キラーの功罪など3つの話題)」,「Ⅲ言葉の現場に物申す(ノーブレス・オブリージュ,作文と論文,君が代と朝日新聞,週刊朝日と北朝鮮など11の話題)」,「Ⅳマイ・ウエイ(男は軍艦行進曲,一ヒメ二トラ三ダンプ,カラオケ考現学,幸せな時代の幸せな記者など10の話題)」と,「現在史」を著者目線で眺めることができる。