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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その926
鈴木康夫写真・高橋冬解説「改訂版散歩で見かける草花・雑草図鑑」(創英社 本体:1500円)
大学時代,生物,特に植物を専攻してきたAさんに「こんな本があるよ」と本書を見せたところ,「うん,私,ほとんど知っているから...」と,明らかに義理で手にしてくれた。
ところが,いつの間にか集中してページを睨みつけ出した。そっとして置いたら30分ほどして「最近の外来種もたくさん出ていて,よくできた図鑑だわ」と評価してくれた。「しばらく貸して!散歩のときに持っていくわ」だと。
ところで,植物学に造詣の深いHさんの話によると,従来の分類は植物の形状やつくりなど形態的な観点から行われていた。それが,近年はDNA解析にAPG分類体系が主流になっているそうである。本書は,まさにこれを取り入れて,科名の変更(旧科名もつけて)を取り入れている。さすがである。
内容は,「散歩で見かける草花マップ」「まえがき」「この本の使い方」に続き,季節に従って,363種が「早春」,「春」&春のコラム,「陽春」,「初夏」,「夏」&夏のコラム,「初秋」,「秋」&秋のコラム,「冬」に分類し手紹介している。
1種類ごとに,メインの写真&補足の小さな写真,データ(漢字名,花期,丈,分布or原産,生育地など),名前,部分アップのサブ写真,解説文,一口コメントなど,重さ310g新書版で,散歩しながらでも「チラッ」と見て分かるように工夫されている。