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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その934

「指導と評価2018年5月号」(図書文化 定価:450円)


 PDS(計画・実行・評価改善)は,一般企業に普及したのは昭和30年代の半ばころ,第1回東京オリンピックの数年前のことである。遅れること20年,昭和50年代の中ごろ,学校にもこの発想が取り入れられるようになった。それが,平成10年代の中ごろ20世紀にはいるとPDCA(計画・実行・評価・改善)と進化した。

 今月号の特集は,「教育におけるPDCAの確立」で,新学習指導要領の移行措置,そして完全実施を迎えるこの時期としては時宜を得ている。

 具体的には,巻頭言「PDCAの確立で思ったこと」応用研究所研究所長石田恒好,「教育におけるPDCAの確立に向けて」同,「PISAを活用したPDCAの確立」国立教育政策研究所教育課程研究センター研究部長猿田裕嗣,「TIMSSと学習指導要領の改訂」国立教育政策研究所総合研究官銀島文,「Q-Uの活用はPDCA活動の第一歩である」早稲田大学講師河村昭博,「明確な成果と課題を引き出す学校マネジメントサイクルの要点について(AV+PDCA)」佐賀市立川副中学校長池之上義宏,「確かな学力の定着に向けたPDCAサイクルの確立」四日市教育委員会指導課課長補佐前田匠と,多様な観点から考察されている。新教育課程のPDCAに役立てたい。

 連載では,「教師力アップセミナー・イノベーターとしての教師」帝京大学教授白鳥信義,「パフォーマンス評価,算数・数学」静岡県立袋井高等学校教諭鈴木秀幸,「これからのキャリア教育・キャリア教育推進施策の展開」筑波大学教授藤田晃之などが,読み応えがあった。