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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その937
河合薫著「残念な職場―53の研究が明かすヤバイ真実」(PHP新書 本体:880円)
本書の目次を見て,「よし!よんでみよう!」と持った。だから,まず,目次を紹介する。
「プロローグ(意味不明な上司を嘆いていた若者がやがて彼らと同化する理由,職場には意味不明者が氾濫しているなど7つの話題)」,第1章「無責任な人ほど出世する職場(偉い人は責任を取らない,出世する人の特徴の研究,なぜ職場には無能な上司が多いのか?ピーターの法則など10の話題)」,第2章「現場一流,経営三流の職場(経営をしない経営者,あの有名企業が倒産した理由,日本人とドイツ人の現場の違い,名刺にメアドが刷られている社長と刷られていない社長,部下の声を聞いた西室泰三さんなど12の話題)」,第3章「女はめんどくさいと思われている職場(アメリカで巻き起こった女性の働き方をめぐる大論争,一般的に言われている女性の特徴はほとんどエビデンスがない,日本の男女格差問題の根深さなど11の話題)」,第4章「残業のリスクを知らない職場(そもそも過労死とは?,日本人の電車での居眠りに驚くアメリカの新聞,週63時間以上働くとむしろ仕事の成果は減る,体内時計と生活リズムがずれると動脈硬化などリスクが発生,過労自殺―遺書には必ず謝罪の言葉が入っている,部下を生かすも殺すも上司次第など13の話題)」,第5章「残念な職場を変えるには(どうすれば残念な職場から脱却できるのか,SOCは生まれつきの能力ではない,一人の社員が始めたひと声がけ運動が空気を変えた,グーグルが明らかにした成功の法則性,17時退社が当たり前の会社は生産性が必ず伸びるなど20の話題)」。
どうですか,読んでみようという気になったでしょ! 私は,4つの学校現場,2つの研究所,2つの教育委員会を経て,現在2つの研究所と法人に籍を置いて,細々と仕事をしている。職業生活を思い起こして,第1章&第2章を「そのとお~~り!」と納得してしまった。
神田神保町の早朝8時前から珈琲を味わえるサロンがある。そこで顔なじみの人と情報交換するが,本書に登場する上司や職場が現実にあることを知り,自分だけはそうなりたくないと思うこの頃である。