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書評:小島宏の気になる1冊その942
大前暁政著「学級経営に生かす教師のリーダーシップ入門」(金子書房 本体:1800円)
A先生の学級は子どもたちがよくまとまって好ましい人間関係ができている。B先生の学級は助け合いがよくできていて授業も楽しく行われている。C先生の学級はまとまりがなくトラブルやいじめが目立つ。というように、学級の実情はさまざまである。その要因はどこにあるのだろうか。
本書は、「学級をまとめる」「授業を充実させる」「好ましい人間関係を築く」などをキーポイントに、「教師のリーダーシップ」に着目して、理論的・実践的に解説した良書である。若い先生方が基本を学ぶ参考書として、ベテランの先生方はさらなる磨きをかけるヒントとして役立つ1冊である。
第1章「リーダーシップとはどういうものか?(リーダーシップの様々な形、リーダーとしての重要な資質など6節)」、第2章「子どもを力強く引っ張っていくためのリーダーシップ(力強いリーダーシップの基本姿勢、背中で導く率先垂範、公平に子どもと接する、手間をかけるほど子どもは伸びるなど10節)」、第3章「後ろから支え、自立を促すリーダーシップ(子どものやる気を高める、傾聴と承認、勇気づける、ファシリテーターとしての役割を果たすなど10節)」、第4章「力のある教師のリーダーシップはここが違う(一人一人と信頼関係を深める、子どもが動きたいと思える環境をつくる、楽天的で明るいなど10節)」、第5章「反面教師にリーダーシップを学ぶ(自分以外の何かに原因を求める教師、命令が多くリードが少ない教師、報酬で動か素とする教師、子どもの立場に立って考えられない教師など10節)」と、2~3ページに簡潔に表現されており、役立つ情報やコツが満載である。