ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その952

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その952

「指導と評価2018年6月号」 (図書文化 本体:450円)


 本号の特集は「授業に参加する」で,子どもを授業に「自ら参加するようにする」ことに焦点を当てている。これは,小・中学校児童生徒だけでなく,高校の生徒や大学の学生に係る問題である。「主体的・対話的で深い学び」の「主体的な学び」に関するものであるとみてもいいと思う。

 内容は,次のように充実していて,「学習意欲を高め,かつ主体的に参加させる」ためのヒントが得られる。

 東京学芸大学名誉教授河野義章「授業―「受ける」から「参加する」へ―」,清泉女子学院短期大学教授碓井幸子「学びのスタートを保障する学習環境づくり」,都留文化大学教授鶴田清司「学習の基盤となる論理的思考力・表現力を育てる」,都立桐ヶ丘高校主幹教諭山﨑茂雄「高校での学習スキル・トレーニング」,八王子市立由木東小主任教諭宮内健「教室の学びを支えるきく力」,山形大学教授江間史明「概念を使って学びの水準を引き上げる」,東広島市立御薗宇小教諭「子どもの学びを開く話し合い活動―小学二年生・国語科の授業分析を通して―」と,多角的視点から解説,提言されている。

 連載記事として,「教師力アップセミナー(3)質問づくりを考える」白鳥信義,「教育課程の評価を考える(社会科の歴史分野)」&「新しい教育評価の動向(科学教育)」鈴木秀幸,「成熟した学習者をめざして(予習・復習の指導)」篠ケ谷昌一など,充実している。
(参考:「ハンドブック 学ぶ意欲を高める100の方法」教育出版)