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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その963
「教育展望2018年6月号」(一般財団法人教育調査研究所 本体:448円)
中教審「学校における働き方改革特別部会」は,昨年7月から審議を始め,同7月に「教員が担う業務内容の見直しに関する基本方針(中間まとめ)」を公表し,学校の組織や運営の見直し&時間外勤務の削減に向けた制度の在り方などについて,2018年中の「答申」目指し集中的に議論を進めている。
各教科等の授業や生徒指導,触れ合いや相談ごとなど,教員が子供と向き合う時間の保障と,その準備の時間の確保が重視されるべきであろう。そのほかを可能な限り削ぎ落してくれるような働き方を提案し,策定し,実施していただきたい。それは教師だけの事ではなく,子供たちの未来や社会・国や世界の未来のためでもある。
今月号の特集は「学校における働き方改革を探る」で,小川正人「学校における働き方改革の審議状況と今後の検討課題」,青木栄一「教員の長時間労働の原因と改善策の方向性」,佐藤真「学校の環境の改善による働き方の見直し」,山﨑保寿「学校の教職員の「多忙格差」の実態と改善策―教師キャリアの段階による格差解消が必要―」,北上正行「外部人材活用による教員の多忙改善策」,安藤知子「教職員の時間管理と意識改革による学校の働き方の改善」,田口康之「働き方改革における部活動の改善の視点」と,学校・教員が参考にするだけでなく,中教審関係者にも是非目を通してほしい内容ばかりである。
連載の「提言:これからの学校教育で求められる教師の見識」亀井弘明,「私はなぜ教育の道を志したか」若井彌一,「わたしの教育実践:地域と歩み育ててきた富士山学習」富士宮市富士山学習研究委員会,「ビューポイント:小中の連携と生徒の居場所づくり」山田栄児なども読み応えがある。