ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その965
教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その965
松浦弥太郎著「もし僕がいま25歳ならこんな50のやりたいことがある」(講談社+α文庫 本体:560円)
ある日の夕刻,ジージ「今の大学生の半分は,読書の時間が1日ゼロ分なんだって」,勉強嫌いの孫「何だそれ,バカになっちゃうんじゃないの」,バーバ「それじゃ,あんたは本読むの?」,ゲームばっかりの孫「本くらい読んでるさ」と,他愛のない会話が続いた。
しばらくして,反抗期の孫の部屋を覗いたら本書が万年床の枕元にあっていささか驚いた。どんな内容か読んでみた。
まず冒頭に,今知っていたら良かったと想う3つのポイントとして,「ポイント1:世の中の多くの人は,いつも誰か(注:人材)を探しています」「ポイント2:人はいつも,自分を助けてくれるものを探しています」「ポイント3:収入とは,人に与えた感動の質量に比例するものです」を紹介している。
そして,「02小さな成功を積み重ねる」「04素振りを怠らない」「09なぜ?なに?なんだろう?」「10好きを深掘りする」「14メモ帳を持ち歩く,アイディアを書く」「16お礼上手,ほめ言葉上手」「20小さな約束こそ守る」「31貪欲に本を読む」「36つねに見直す優先順位」「37ラクしてもうけない」「39アップルやグーグルよりも」「45むりです,できませんは,口にしない」「49基本に忠実」「50自分の価値はなにか?」そしておまけに「51日本人としての誇りをもつ」と,キャリア教育の教科書のようである。
本気で本書を読み,そして内容が理解できているのかと,孫を疑ってしまった。読後に,自分の人生を苦く振り返っている。