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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その967

田村学著「深い学び」 (東洋館出版 本体:1980円)


 主体的・対話的で深い学びについて,「主体的な学び」「対話的な学び」はある程度分かり,「こうすればいいのか」と目安がついてきたようである。ところが,「深い学び」については,いまだに「どうしたらよいものか?」と学校現場は悩んでいる。

 そこで,文科省の元教科調査官,前視学官,現国学院大学教授の著者が,新学習指導要領の実現は「探究」で,子供が活用・発揮を繰り返し,意識が駆動する「深い学び」を重視する必要があるとの思いから,本書を上梓された。

 さっそく読んでみた。なるほど,「こういう意味なのか」「こういう事をすればいいのか(事例の紹介)」「こういう事に配慮すればいいのか」と,具体的に理解でき,「深い学び」について理解できた。

 構成は次のようになっていて,図表や写真を多用して事例と簡潔な文章で,見える化してあり,分かりやすい。学校のリーダーの校長先生,研究主任の先生,各教科等を指導する先生方にぜひ読んでいただきたい。

 Prologue「今期改訂を構造的に理解する(社会に開かれた教育課程,主体的・対話的で深い学びなど4節)」,第1章「知識が駆動する(深い学びと資質・能力の育成,知識が駆動するの2節)」,第2章「深い学びにアプローチする子供の姿(中学校3年理科,小学校社会科6年,中学校2年と小学校1年の国語,小学校5年総合的な学習の時間,中学校3年数学など10のcase及び深い学びを仕掛ける教師)」,第3章「深い学びを具現する授業デザイン(豊かな学び合いの展開,確かな振り返りの実施など4節)」,第4章「深い学びを支えるチーム力(授業研究の質的転換,子供を見取り授業を描くなど3節)」。