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書評:小島宏の気になる1冊その970

田家 修 作成「生徒のための統計活用~基礎編~数理の探究メガネで見てみよう!」総務省政策統括官(統計基準担当) HPからダウンロード可


 現在,私たちは,ビッグデータに囲まれていて,今やデータの活用なしに現状を把握したり,問題や課題を見つけたり,その問題や課題の解決をしたり,考えたり,判断したりなどができない状況にある。総務省では,このような状況に鑑み,表記の資料で「<スタッツ・フォー・スクール>統計で身近な現象や社会の課題を探究する学習ワークシート」を提案しています。(ただし,本学習ワークシートは現行の学習指導要領に基づいたもの。)

 ビッグデータの活用が不可欠なことを背景にして,小・中学校では,学習指導要領の改訂(平成29年3月31日告示)により統計教育が充実されることとなった。特に,小・中学校では,D領域「データの活用」が新設され,小学校1学年から中学校3学年までの9年間で,系統的・一貫的に指導されることになった。

 本学習ワークシートは,生徒用となっているが,児童用にアレンジすれば使えるすぐれものである。特に,統計をどのように活用したらよいかを,身近な事象を例に,様々なデータや表現・処理の仕方,活用の仕方などが具体的に学べるようになっていて,次のような内容構成で,「このまま活用する」「一部変えて活用する」「参考にして自作する」と,様々に活用することが可能である。

 第1部「統計的探究のプロセスの考え方(統計の役割とは? 統計的な探究のプロセスとは? 統計的探究の国際的枠組みPPDACサイクルなど)」,第2部「統計的探究を実践してみよう(公的統計を使ってみよう,中学生の運動能力の改善など)」,第3部「統計的探究プロセスを身近なものにしよう(世界遺産富士山を守るためにできる事,身近な統計データを使ってみよう・携帯電話とどう付き合うかなど)」,第4部「さまざまな統計データをいかに活用するか(データから生活リズムを見つめ直す,進路計画を作ろうなど)」,第5部「統計をさらに知る(統計でみえるセカイ,e-Statを使ってみようなど)」。