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書評:小島宏の気になる1冊その975

今度珠美・稲垣俊介著,原克彦・前田康裕監修「スマホ世代の子どものための主体的・対話的で深い学びに向かう情報モラルの授業」(日本標準 本体:1500円)


 子どもも大人もスマホを活用する時代である。新しい小学校(中学校)学習指導要領では,情報活用能力の育成を求めている。そして,合わせて,情報モラルの育成も求めている。

 しかし,どのような内容を,どのように指導したらよいか学校現場は戸惑っている。というのが正直な所であろう。

 本書は,先生方が,情報モラルの授業をどのように実施したらよいかについて,「Step1どのような内容を実施するか選択する」→「Step2授業の準備」→「Step3授業の実施」→「Step4保護者との共有」と,段階を追って授業づくりができるように構成されていて,大変参考になる。

 内容は,<序論>「スマホ世代の情報モラル教育の目指すもの」,実践事例1「小学校低学年&中学年:動画サイトで気を付けること」,実践事例2「小学校高学年&中学校:アプリの利用と個人情報」,実践事例3「小学校中学年&高学年:インターネット上での安全なやり取り」,実践事例4「小学校高学年:ネットへの投稿について考えよう」,実践事例5「小学校高学年:インターネットを利用するときのルールを考えよう」,実践事例6「中学校&高等学校:情報の信頼性・信憑性」,実践事例7「中学校&高等学校:文字によるコミュニケーション」,実践事例8「中学校&高等学校:ネット依存とルール」,実践事例9「中学校&高等学校:スマートフォンのポジティブな使い方」,実践事例10「中学校&高等学校:メッセージアプリによるコミュニケーション」で構成されている。どの実践例も,「題材の目標」「この題材の目標の目指すもの」「授業の展開(各種スライド,1導入,2展開(考えること,学習過程ごとの発言の板書,まとめ),3まとめ,授業のポイント」に加え「ワークシート」までついていて,すぐ実践できるようになっている。

 さらに,付録として,アンケートの例(小学校1・2年保護者向け,3・4年児童向け,5・6年児童向け,中学校&高等学校生徒用)も付いている。