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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その976
「教職研修2018年7月号」(教育開発研究所 本体:1000円)
現在は,情報を使いこなす能力と,情報に翻弄されない(惑わされない,騙されない,犯罪に巻き込まれない,他人を不幸にしない)ことが求められているといっても過言ではない。
今月号の特集は,このことに特化して対応している。参考にして,子どもたちの指導に役立ててほしい。
特集1は「学校全体で取り組むスマホ・ネット指導―夏休みも,子ども自ら対応できる力を」で,ITジャーナリスト高橋暁子「子どもはなぜスマホ・ネットにはまるのか」,<子どもの『スマホ・ネット』トラブルを学校全体で防ぐ>兵庫県立大学准教授竹内和雄「学校としての指導法」,静岡大学准教授塩田真吾「ルールづくり―スローガン的ルールを見直し,自立に向けて守るための工夫を考える」,東京情報大学准教授原田恵理子「伝える力・読解力の向上」,<スマホ・ネットをよりよく活用する>横浜国立大学教授野中陽一「教育活動での活用」,ネット教育アナリスト尾花紀子「いじめ相談・報告SNS―SNS等をうまく活用して子どもたちの心に寄り添う」,元共同通信社記者宮武久佳「子どものネットLiteracyを高める正しいコピペと許されないコピペ―著作権,肖像権,フェイクニュース」と,充実した内容で参考になる。
第2特集は,「無理なく始めるプログラミング教育」で,文科省情報教育課「<基礎理解>プログラミング教育とは?」,相模原市教育センター指導主事渡邊茂一「プログラミング教育をゼロからどう始めるか?」,<無理なく始めるプログラミング教育>東京学芸大学附属小金井小学校教諭鈴木秀樹「Q&A(1)プログラミング教育に適した機材,教材は何ですか?」,宮城教育大学准教授安藤明伸「Q&A(2)十分な数のコンピュータがありません」,柏市立手賀東小学校長佐和伸明「Q&A(3)ベテランを中心に意欲が高まりません,」,「Q&A(4)学校外の団体等と,どう連携すればよいですか?」と,学校現場の切実な悩みにこたえる内容になっている。
さらに,教育研究家妹尾昌俊「学校の働き方改革:伝統・前例や熱血な活動も『何のために』から見直そう」も,千葉大学特任教授天笠茂「学校が今なすべきこと―学校教育目標と総合的な学習の時間の目標」も,大変示唆に富む内容で役立った。