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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その979

初等教育研究会編「教育研究2018年7月号」(不昧堂 本体:787円)


 授業づくりに行き詰った時,「何かいい発想がないものか?」と悩んだ時,本書を手にすることが多い。「学びに向かう力」つまり「自発的,主体的に学びを深め,継続し,求め続けていくようにする」にはどうしたらよいものかと,今悩んでいる。

 今号の特集は,「たくましい学び手を育てる」で,さっそく読んでみた。そして,多くのヒントが得られた。

 国語・青木伸生「読むことできめる学びを通して知的にたくましい子どもを育てる」,社会・粕谷昌良「文脈で考えることで,きめなおす必然を生む」,算数・中田寿幸「子どもがきめ直し,考えを広げていく算数授業」,理科・鷲見辰美「理科授業で育てる知的たくましさ~その実現のための授業モデル~」,音楽・平野次郎「たくましい学び手を育てる手掛かり」,図工・笠雷太「一人一人のきめる・きめ直すを生かす,図工授業のプロセスデザイン」,家庭・横山みどり「生活をよりよくしようと工夫する実践的な態度をどう育てるか」,体育・齋藤直人「たくましい学び手を育てる教師の役割」,道徳・加藤宣行「理屈と感情―理解できるが納得できない―」,英語・荒井和枝「子どもが聞きたい,言いたいと思うこと」と,珠玉の提案が詰まっている。

 連載の「研究発表」では,道徳・山田誠の問題解決的な学習,体育・清水由の立位の折り返しの運動,算数・森本隆史の問題を広げ,きまりを見つける,算数・盛山隆雄のデータ活用の授業,社会・由井薗健のきめる学びを生み出す授業づくり,国語・白坂洋一の論理手思考力・表現力を育む書くことの授業と,「きめる」を意識した提案である。