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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その980

「月刊日本教育」平成30年6月号 (公益財団法人日本教育会 会員制・会費年間:3100円)


 新学習指導要領の完全実施を目指した「移行期の教育」を,他誌とは異なった視点から論じていて,学校経営や授業改善,とりわけ道徳科の授業の展開について,以下のように3氏が具体的に提言している。

 国士館大学教授・前文科省教科調査官澤井陽介「新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業改善」,岐阜成徳学園大学教授玉置崇「移行期における学校経営―管理職の心得と実践―」,京都産業大学教授柴原弘志「道徳教育の実質化と更なる充実をめざして」。

 また,ノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授大村智先生への巻頭インタビューは「自ら学ぶ姿を見せる人が本当の教員」で,教育は「人をつくる(人間力を育む)」であり,教師はどうしたらよいか,教師は子どもと一緒に進歩して欲しいと説いている。心にとめ,実行したいものである。

 その他,千葉市立宮崎小学校「仲間と共に,心はずませ,自ら課題を解決する子供の育成」,新潟県立高田特別支援学校「地域社会で健康な生活を営む力を育てる」の実践報告,連載の加藤昌男「学びのフルコース学校給食」,斎藤環「不登校の二大要因」,池田雅之「命の根幹に触れる幸せ感とは何か」,宮下研一「人生100年時代の仕事と介護」などもたいへん役立った。