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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その986

「教育展望2018年7・8合併号」(一般財団法人教育調査研究所 本体:448円)


 不謹慎な比較であるが、本誌は今号で、某テレビ局の長寿番組「笑点」に対抗できる700号である。編集者のぶれない編集方針と、珠玉の論文を寄稿してくださる執筆者、何よりも購読してくださる愛読者のたまものである。

 今号の特集は、学校現場がいまだに「よくわからない!?」との悩みに正対した「改めて問う、深い学びとは」である。

 安彦忠彦「これからの教育が目指す深い学びとは(人間固有の学びの「深さ」は「自我」にかかわる部分に!など)」、田村学「子どもの資質・脳力を育む深い学びを考える(深い学びを知識中心に4つのタイプで考えるなど)」、安藤輝次「深い学びを視座した授業づくり(浅い学びから深い学びへの授業づくりなど)」、櫻井茂男「深い学びを実現する学習意欲とは(自ら学ぶ意欲と深い学びの関わりなど)」、多田孝志「対話型授業によっていかに深い学びを達成するか(対話型学びによって深い学びを生起させる基本的な考え方など)」、藤井千恵子「教科横断的な深い学びのあり方(事例に基づく授業における深い学びなど)」、吉富芳正「教師自身が押さえるべき深い学びのポイント(現実社会と向き合う学びを実現するなど)」と、多様な視点から考察し、提案してあり、多くのことを学び取ることができる。

★なお、余談であるが、本誌が主催する「第47回 教育展望セミナー:資質・能力を育成する教育課程と実施」が、8月6日~7日にアルカディア市ヶ谷(旧私学会館)で開催される。関心のある方は、 http://www.chou-ken.or.jp/ 
で確認してください。