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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その989

「初等教育資料2018年7月号」(東洋館出版 本体:500円)


 新学習指導要領を,「①学校の特色ある教育課程の編成によって具体化され,②その教育課程に基づく個々の教育活動の展開によって,③子供一人一人に,社会の変化に主体的に向き合い関わりあって,自らの可能性を発揮しつつ他者と協働しながら,④よりよい社会と幸福な人生を切り拓き,未来の創り手となるために,⑤必要な資質・能力を育成すること」に効果的につなげることが肝要である。

 特集Ⅰは,前号に続く「資質・能力に向けた授業づくり②」で,論説事例8:図画工作科・岡田京子,論説事例9:家庭科・筒井恭子,論説事例10:体育科・髙田彬成・横嶋剛,論説事例11:外国語活動・外国語科・直山木綿子,論説事例12:道徳科・浅見哲也,論説事例13:総合的な学習の時間・渋谷一典,論説事例14:特別活動・安部恭子
と,文科省教科調査官が担当している質の高い情報である。

 特集Ⅱは,「音楽:他者と協働する音楽科の学習指導」で,<論説>「他者と協働する音楽科の学習指導の意義と課題」志民一成,<鼎談>「協働する音楽学習のよさ」原クミ×高倉弘光×志民一成,<事例>「1互いの感じ方を活かしてみんなで歌唱の表現をつくる授業」齋藤豊,「2子どもの課題から皆で共に器楽の表現をつくる授業」北川真里菜,「互いの気付きや感じ方を交流しながら鑑賞を深める授業」渡部えり
と,音楽を指導する学級担任と音楽専科教師の指針となる。

 さらに,連載の「子供に学んだあの風景:思いやりの贈り物」小林千澄,「特別支援教育:資質・能力の育成に向けた授業づくり」丹野哲也,幼児教育「事例:遊びや生活における主体的・対話的で深い学び」津田千明・平山和子,「保幼小接続カリキュラムと研修システムを活用した学びをつなぐ取組」福井県教育委員会,なども参考になる。