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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その997
「道徳と特別活動2018年7月号」 (文溪堂 定価:750円)
貴重な存在である道徳科と特別活動に関する実践中心の専門書である。今号の特集は,「教材の意図に合わせた読み物教材の多様な展開例―「手品師」「雨のバスていりゅう所で」「はしのうえのおおかみ」―」である。
具体的な内容は,<論考>「総論:道徳科の授業における読み物教材の多様な活用―教科書使用を前提に―」元家政大学教授長谷徹,「各論:教材の多様な活用の工夫―教材『手品師』を例に,『資料の活用類型』を基にして―」全小道顧問省馬場喜久雄,<実践>「低・共感的活用:役割演技を通した,教材の共感的活用について」第四峡田小学校教諭花岡里美,「低・範例的活用:登場人物の生き方をモデルに価値理解を深める授業展開」誠之小学校指導教諭山本由紀子,「中・共感的活用:教材分析を基に,児童の実態に合わせた授業改善」小平第三小学校教諭安西優也,「中・批判的活用:幅広く児童に意見を求めることができる批判的活用の用い方―他者理解を意図した実践―」奥沢小学校主任教諭中治未佳,「高・共感的活用:立場を明確にし,役割を交替することで,多角的な考えに触れる話し合い活動」法典小学校教諭赫多藍,「高・感動的活用:感動を共有し,中心的な発問で集約する授業」東大和第八小学校指導教諭野村宏之と,充実している。特に,こだわりすぎて形式化することに留意しなければならないが,授業の中で教材を扱う際の「類型」は参考になった。
他に,<道徳>「道徳科における指導と評価の一体化」文科省教科調査官浅見哲也,<特別活動>「学級活動の改善のポイント」同安部恭子,赤ペンチェック<道徳>「展開講談で考える授業構想」実践・佐伯瞳×考察・馬場喜久雄,<特別活動>「学級をよりよく,より楽しくするかかり活動を目指して」実践・金丸喜紀×考察・木内悦雄,「梶井先生の現代都市ジャーナル」梶井貢,「今君たちに伝えたいこと」荻野アンナ,等々読み応えがある。
なお,「キャリア教育」に関心のある先生がたは,本誌2018年6月号をご覧ください。