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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その43
「文芸春秋・特集「昭和天皇実録」の衝撃今明かされる歴史の真実」2014年10月号(文藝春秋社定価:880円)
実に24年間をかけて編纂された「昭和天皇実録」61巻12,000頁を,9月上旬公表された。昭和天皇の20年間は「軍事独裁国家の大元帥」であり,その後の43年間は「平和国家の象徴」であった。
本誌では,人間天皇は実録の中でどのように描かれているのか,また,そこから歴史の真実がどう読み取れるのか,半藤一利(作家),保阪正康(昭和史研究家),磯田道史(歴史学者)の各氏が,読み解き見解を交流している。9月中旬までのよみうりなどの新聞報道と併せて読むと,「昭和天皇実録」の概要を理解することができるであろう。
ちなみに,主な内容は,「おもうさま,おたたさまへの手紙(9歳)」「創作物語・裕仁新イソップ」「お好きな人,お嫌いな人)」「語れなかったA級戦犯への思い)」「天皇は何度涙を流されたか」「軍部の横暴に立ち向かわれた瞬間」「天皇のお考えは「機関説」である」「宮内庁が認めた「天皇独白録」」などで,3氏が語り合っている。
また,本誌編集部が,「宮内庁OBが明かした編纂の内幕」も,短文であるが内容の濃いものとなっている。