つゆ(梅雨)の天気

しょうかい
特ちょう
- 夏が近づくと、オホーツク海上にある冷たくしめった空気のかたまり(オホーツク海気団)と、太平洋上にある暖かくしめった空気のかたまり(小笠原気団)が接するところに、雲が連続して発生するようになる。これによって、北海道より南の地域ではくもりや雨の日が多くなる。この時期をつゆとよぶ。
- つゆは、沖縄県では 5 月ごろから始まって 6 月後半まで続き、本州では 6 ~ 7 月にかけて続く。
- つゆの時期には、北海道から関東地方の太平洋側に「やませ」とよばれる、冷たくしめった風がふく。これらの地域では、やませによって、気温の低い日が続くこともある。
- つゆの終わりごろには、大雨が降り続き、洪水や山くずれなどの災害が起こることもある。一方で、つゆのころの大雨は、夏の飲み水や田畑などに必要な水として、大切な水資源にもなる。
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- 夏が近づくころには、冷たくしめったオホーツク海気団が発達する。さらに、暖かくしめった小笠原気団が太平洋上に現れ、しだいに勢力を強めてくる。この2つの気団が接するところに、東西に長くのびた、梅雨前線とよばれる停滞前線が現れる。
- 梅雨前線上では、次々に低気圧が発生し、西から東へと移動する。これによって、梅雨前線の付近ではぐずついた雨の日が続く。これがつゆ(梅雨)である。
- 梅雨前線は、 5 月の中ごろに沖縄付近に現れ、小笠原気団の勢力が強くなるのにともなってゆっくりと北上する。 6 月の中ごろから 7 月にかけて、本州付近に停滞することが多い。
- つゆの終わりごろには、南からのしめった空気が梅雨前線に流れこみ、集中ごう雨が発生して水害をもたらすことがある。
- 7 月の中ごろになると、小笠原気団の勢力が増し、オホーツク海気団は勢力を弱めていく。これにともなって、梅雨前線は北へおし上げられ、本州北部あたりで消える。こうしてつゆ明けとなり、本格的な夏をむかえる。
- 9 月になって小笠原気団がしだいに勢力を弱めると、つゆのころと同じように、日本付近に停滞前線が現れることがある。この時期に現れる停滞前線は秋雨前線とよばれ、雨(秋雨)が降るぐずついた天気をもたらす。