3.学校ビオトープをつくり始める前に

〔3〕 イメージ図をつくろう



 設計図をつくるあたっては、教師や業者だけでつくるのではなく、なるべく子どもたちも巻き込んで進めてみる。以下にその一例を示す。



(1)地域のビオトープを知る

 地域の地形、気候、生えている野草や樹木の種類などによって、地域ごとにビオトープは異なる。学校ビオトープは「地域のビオトープの見本園」ということからも、子どもたちと一緒に以下のことを調べるとよい。

□地域にどのようなビオトープがあるか。
□どのような生きものがくらしているか。
□昔はくらしていて、いまは姿が見えなくなった生きものはなにか。
  …など



(2)目標の生きものを決める

 学校ビオトープを整備する際には、整備予定地の面 積などを考慮したうえで、学校のある地域の野生の生きものの中から、なるべく高次消費者を目標種として設定するとよい。


モズを目標種にした場合の、学校ビオトープにおける生態系ピラミッド

 その際に、子どもたちには、(1)で調べた内容をもとに、個人あるいはグループで「どのような地域の野生の生きものが学校に訪れてほしいか?」を考えてみる。最終的には、一つの意見にまとめる。



(3)目標種とする生きものを知る

 目標種とした生きものに学校ビオトープでくらしてもらうために、以下に示したような生きものの生息条件を調べる。

□普段はどんな所にくらしているの?
□昼間、そして夜には具体的にどのようなところにいるの?
□餌(えさ)はなに?
□その餌となる生きものがくらしていくために必要なものはなに?
□どういう所で、卵や子どもを産むの?
□子どもが育つためには、どんな場所が必要?
□子どもの時の餌はなに?
□外敵から身を隠す場はどこ?



(4)学校ビオトープのイメージを描く

 目標種の生息条件を踏まえ、学校ビオトープのイメージ図を個人並びにグループで考えてみる。最終的にひとつの意見にまとめる。



(5)学識経験者や環境NGOにプレゼンテーションをする

 子どもたちが、自分たちでまとめたイメージ図をもって、地域の自然に精通 した学識経験者や環境NGOに説明を行う。そこで、自分たちの考えた案に対して、専門家よりアドバイスをもらう。



(6)PTAや地域住民に呼びかける

 ある程度、案がかたまった段階で、子どもたち自身がPTAや地域住民に学校ビオトープをつくることを伝える。手紙、あるいは説明会など、できれば伝える手法に関しても子どもたちに考えさせるとよい。




目次にもどる

 

4「学校ビオトープをつくる
際のポイント」へ



Copyright(C)2000 KYOIKU SHUPPAN CO.,LTD. All Rights Reserved.