2007 autumn

三洋電機
CSR部コミュニケーション推進課
課長 平田 勇人 さん

 インタビュー(2)

 三洋電機は,1947年に自転車用発電ランプの開発からスタートし,その後,独創的なラジオを開発,また,電気洗濯機の開発で電機業界に参入しました。家庭電化の黄金期には,テレビや洗濯機を年間100万台生産する大企業に成長し,現在も価値ある優れた商品を作り続けています。  今回は,とくに,暮らしを変える新しい電池として注目を浴びている『eneloop(エネループ)』について,CSR部コミュニケーション推進課の平田勇人さんにお話を伺いました。

(聞き手:編集部 岡本)

 

■環境教育の取り組み■

── 現在,日本の小学校でも乾電池を使った授業が広く行われています。この『eneloop』は,乾電池と同じように使える充電池であるとともに,環境への配慮もされているということですが,学校での教育に対する取り組みは行っていますか。

平田勇人さん (以下,平田)「当社では,『Think GAIA』というブランドビジョンを掲げ,『eneloop』を発売した2005年の11月から順次,全国各地の小学校へ『eneloop』を寄贈し,翌2006年の4月からは,環境授業の実施を継続的に取り組んでいます。環境授業とは,当社の社員が講師となって小学校で出前授業をするもので,昨年度は小学校5年生と6年生を対象に40校で実施しました。」

── 環境授業は,どのような内容になっているんですか。

平田「はい,当社が行う環境授業は,(1) 地球の誕生と環境問題の発生,(2) 3Rから見直す私たちの生活,(3) 繰り返し使える充電池,という3つの内容で構成された体験型・参加型の授業です。所要時間のちがいで3種類の指導案を用意していますが,いずれも,地球環境を大切するために普段どのような点に気をつけて生活すればよいのか,身近な電池を題材に考えていくことをねらいとしています。
 まず,初めに,46億年もの長い年月をかけて海や大気,生物を育んできた地球の歴史の中で,私たち人間はほんのわずかな時間しか生きていないことをクイズ形式で学び,そうした人間の活動が,現在,地球環境に大きな影響を及ぼしていることを考えてもらいます。
 次に,3Rとは,Reduce(ごみを減らす),Reuse(繰り返し使う),Recycle(資源として再利用する)という3つの言葉をまとめて指した用語ですが,こうした考え方を理解し,自分たちが身近に取り組める3R行動を考えてもらいます。
 そして,私たちにとって非常に身近な電池を具体例にとり,充電池は,3Rの考え方にとても合致した製品であることや,充電池を使うことで地球環境の保全に取り組むことができることを知ってもらう,という展開になっています。 」

── たしかに3Rの考え方で電池をみると,充電池のほうが乾電池よりも優れていますね。体験型・参加型の授業とは,実際にはどのようなことをするんですか。

平田「出前授業をする際には,児童用テキストを使って講師が子どもたちに問いかけて授業を進めていくことで,子ども一人一人が地球環境や電池のことについて考えていけるようにしています。また,電池を使った実験を用意しており,子どもが体験を通 して電池のしくみやはたらきについて理解できるように工夫しています。実物の電池に触れながら生活の中で使われている電池について考えたり,子どもたち自身が電池になる『人間電池』という実験を通 して電池のしくみについて学習したり,子どもたちは,とても楽しみながら授業に参加していますね。
 こうした実験ができる器具は,小学校やNPOなどに貸し出しを行っています。あわせて児童用テキストや教師用指導案の無料提供も行っていますので,いろいろな地域で当社の環境教育プログラムが実践され,充電池のよさが広まればよいと考えています。」

── 三洋電機の社員が行う出前授業のほかに,器具の貸し出しやテキストの無料提供も行うなど,今回の『eneloop』発売をきっかけにして,環境教育にも積極的に取り組んでいることがよくわかりました。今後,自分でできる環境保全として,充電池を使って電池を繰り返し使うという考え方がよりいっそう広まることを期待したいと思います。本日は,お忙しいなか,有り難うございました。

※三洋電機が実施している環境教育の取り組みについてもっと知りたい方は http://www.sanyo.co.jp/eep/ をご覧ください。


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