2010 autumn
東芝情報機器株式会社
インタビュー(2)

公共営業部
渡辺 守 さん

 東芝グループは,日本を代表する総合電機メーカー・東芝を中核に,製品の製造からサービスに至るまで多岐にわたる会社で構成されているグループです。今回は,その中でITソリューションを提供している東芝情報機器を訪ね,新しく発売された児童用タブレットPC「CM1」についてお話しを伺いました。(聞き手:岡本)

 

■ 小さなボディに充実のスペック ■

── OSやアプリケーションに関しては,どのようなものを採用しているのですか。

渡辺守さん(以下,渡辺)「まず,OSに関しては,Windows 7 Professional を採用しています。価格から考えるとWindows 7 Home Premium を採用するという選択もあったのですが,主に小・中学校に導入するという目的を考えたときには,ネットワーク管理機能をもたせるのがよいので,あえて 7 Pro を採用し,クライアントサーバ側でドメイン管理が行えるようにしました。そのほうが先生方も後々楽になりますから。
 また,アプリケーションに関しては,筆圧を感知してスケッチブックに描くように使えるお絵描きソフトや,ペンで書いたものをテキストデータに変換するソフト,電子書籍を見るリーダー,内蔵のウェブカメラで撮影した画像を取り込んだり処理・管理したりするソフトなどが入っています。 」

── そうすると,例えば,自分ノートの代わりに,このタブレットPCを使って記録したり,記録したものをテキストデータで保存・保管したりすることもできるんですね。

渡辺「例えば,漢字は,見てめくって覚えるのではなく,書いて覚える必要があるでしょう。そのときに,ペンを使って紙のような質感で書けることは非常に有効だと考えています。デジタル化が進んでいくなかでの学校教育を考えると,紙に書くことを忠実に再現することが必要だと思います。初めの話にもどりますが,紙に書くように使えることを「CM1」の基本コンセプトの一つにしています。」

―― 価格に比べてハイスペックなOSを採用していますが,ネットワーク管理にはクラウドコンピューティングも想定されているんですか。

渡辺「標準で無線LAN(WiFi機能)と有線のどちらにも対応しています。現在,学校では,ネットワークが無線LANで構築されている環境と有線で構築されている環境と,両方とも考えられますので,そのどちらにも対応できるような仕様になっています。
 出荷が8月中旬から始まったばかりなので,今後,ネットワークに関しては,学校側からいろいろなリクエストがあると思います。なかには端末単体でよいというリクエストもありますが,私どもは,ネットワークを含めて提案していますので,学校に設置されているサーバに接続するかたちをとったり,ネットワーク上で先生機が生徒機を管理するツールを用意したりします。このツールは,教育ベンダー各社さんが出されているものを利用させていただき,先生方のリスエストに合ったものを組み合わせて販売することになると思います。すでに授業支援システムが入っている学校もありますので,その場合は,現在お使いのものと同じようなものを用意することになると思います。 」

── すでに授業支援システムが導入されている場合は,例えば,パソコンルームに入っているシステムを,タブレットPCで教室に拡張しようというイメージでよいでしょうか。


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