2009 autumn
株式会社エディオン インタビュー(4)
IR・広報部 福薗 健 さん,丸住 善弘 さん,向田 万里子 さん


 エディオングループは,現在,家電量 販業界第2位の売上実績をもち,全国に1000店舗を超えるネットワークを構築しています。今回は,グループの持株会社である株式会社エディオンのIR・広報部の方々に,エディオングループの発展の経緯や経営理念,環境への取り組みや地域社会への貢献などを伺いました。(聞き手:編集部 岡本)


 

■ これからの展開と課題 ■

── エディオングループでは,今後どのような展開を考えていますか。

向田「商売の原点は,お客様・地域に密着した事業活動を行っていくことであり,この姿勢は不変です。関東以西では,各エリアでの地盤強化,西日本におけるシェアアップを図っていくことが,現在の目標になろうかと思います。また,関東でも,地域に馴染みのある石丸電気を中心に店舗の再構築を進め,規模拡大よりも基盤強化を図っているところです。秋葉原の石丸電気店舗については,今年6月に大型改装も行いました。
 これに加えて,家電製品から広がるいろいろなもの,例えば,リフォーム事業を今年度から新しく展開しています。私どものグループ企業のサンキューがリフォーム事業で開発した独自のノウハウをグループで共有し,既存のリフォーム業界にはない,これまでのリフォームに対する概念を変える,家電小売業ならではの新たなリフォーム事業展開を行っていきたいと考えています。エアコンなどをご購入いただく場合と同様に,商品および標準工事費込みの明確な価格で,安心してリフォームをご検討ご依頼いただけ,リフォーム期間中に生じる生活の不都合やお客様の負担を軽減するため,独自の工法により従来に比べ工期の大幅な短縮を実現しました。
 また,おもちゃや家具,インテリア,CD・DVDやゲームソフトなど,家電製品との関わりが大きく,生活が広がる分野への事業展開も行っています。」

── これからの日本は少子高齢社会を迎え,日本の人口が長期的にみて減少するなどの問題を抱えていますが,これについては,例えば,海外進出の構想があるなど,現時点で何か考えをお持ちですか。

福薗「先の先をみれば海外進出というのは可能性がない話ではありませんが,しかし現状では,まずは国内の地盤を固め,人口の減少への対応については,家電から広がる生活全般の提案をしていくことで,企業の規模を発展させていくことを考えています。」
丸住「人口が減る問題もありますが,当面,私どもが対応しなければならない問題は,高齢化です。いまの家電製品がお年寄りにやさしいかどうかを考えたとき,文字が小さくページ数が多い取扱説明書や,操作の難しいパソコンソフトなど,工夫と改善を要することがたくさんあると思います。メーカと共同で,高齢化社会に対応した商品の開発や販売を行うことは,家電販売店としての大きな使命であると考えています。」

── たしかに高齢化も深刻な問題ですね。

丸住「ただ,工夫を凝らした製品も出始めています。例えば,テレビやDVD,ビデオデッキなど複数の電化製品を1台で操作できる『かんたんリモコン』です。標準のリモコンよりもボタンのサイズを大きくして数も少なくすることで,簡単操作を実現しています。これからは,そうした製品がどんどん多くなっていくでしょうね。」

── 多機能化と操作性のシンプルさという,相反することを両立させなければいけませんから,たいへんでしょうね。

向田「高齢化社会への対応という話では,フランチャイズ店舗の展開も行っています。直営店の大型店舗のまわりに小型店舗を配置して,商圏エリアを小さくすることで,とくに高齢世帯を中心に,電球の取り替えなど,かかりつけの電気屋さんのようなきめ細やかなサポートが行えるようにしています。」

高齢化社会への対応はすでに始まっているのですね。本日は,地域に根ざしたお客様第一の企業として,エディオングループのさまざまな取り組みをうかがうことができたと思います。貴重なお時間をいただき,有り難うございました。■


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