教室でひらかれる〈語り〉

教室でひらかれる〈語り〉 文学教育の根拠を求めて
- 齋藤知也著
- A5判 並製・カバー装 256頁
- 2009年8月 発行
- ISBN 978-4-316-80235-0
- 価格 (税込) 2,200円(本体 2,000円+税)
- 読者対象:教師
商品内容
教室で文学を読むとはどういうことか。
そんな疑問に真正面からぶつかった高校教師の授業記録。
Ⅰ部では、先の疑問を切り口に文学教育の根拠を考察しながら、「原文」と「語り」の問題に鋭く切り込んでいく。
Ⅱ部は、生徒とのやりとりを掲載して授業を再現。教室で〈読み〉がひらかれていくさまを体感できる。
目次
Ⅰ 文学と教育の背馳と一致
第1章 教室で文学を読むとはどういうことか
1 「正解到達主義」と「正解到達主義批判」とのはざまで
2 生徒たちは、「二つの根拠」を問うている
3 「〈原文〉という第三項」と〈語り〉の理論は、実践にどのように生きるか
4 学習者の〈読み〉を聴き取るための教材研究
第2章 文学教育と「これからの民主主義」の創造
1 現代社会の縮図としての学校と〈文学の力〉
2 国語教育をめぐる今日的状況
Ⅱ 近代小説の〈価値〉を生かす教材論、状況と切り結ぶ実践論を求めて
第1章 「〈語り〉を読む」ことと「自己を問う」こと
―芥川龍之介『蜘蛛の糸』の教材価値を再検討する―
1 「授業の商品化」という問題
2 座談会「文学と教育における公共性の問題」(「日本文学」03・8)をめぐって
3 自己の認識のありようを問うために
4 『蜘蛛の糸』の研究史をめぐって
5 生徒は〈読み〉を交歓する
6 「書く」ことと「読みを振り返る」こと
第2章 状況に切り込む文学教育
―森?外『高瀬舟』をめぐって―
1 情報消費型社会と「国語」の授業
2 『高瀬舟』第一次感想とその問題点
3 導入部「高瀬舟」という空間を読む
4 「喜助に対する庄兵衛の認識のありよう」を問う
5 結末部を読む ―〈語り〉の構造と「沈黙」の意味するもの―
第3章 井伏鱒二『山椒魚』の〈語り〉を読む
―「嘲笑」と「岩屋」をめぐって―
1 「学びからの逃走」問題の根底
2 『山椒魚』研究史にまつわる問題
3 教材としての『山椒魚』
4 授業でひらかれる〈語り〉
5 生徒の「作品論」と「自己評価表」から見えてくること
6 『屋根の上のサワン』と自選全集版『山椒魚』の比較対照 ―教材価値論に触れて―
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