文学が教育にできること
文学が教育にできること ――「読むこと」の秘鑰 〈ひやく〉
- 田中 実,須貝 千里編
- A5判 並製,カバー装 352頁
- 2012年3月 発行
- ISBN 978-4-316-80325-8
- 定価 (税込) 2,640円(本体 2,400円+税)
- 読者対象:小学校・中学校・高等学校 教師,学生
商品内容
ポスト・ポストモダンの時代に文学が教育にできることとは?
「読むこと」の秘鑰(ひやく)が「夢の読者共同体」を作り出す。
〈第三項〉と〈語り〉をめぐる探究へ。
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「秘鑰(ひやく)」とは,「秘密のカギ」という意味。
文学が教育にできることは何か。
教育が文学にできることは何か。
「国語教育研究」と「文学研究」の架け橋となる,現代の精鋭15人を論客に招き,
小・中・高の代表的な国語教科書教材15作品を論じます。
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【執筆者】(掲載順・敬称略)
須貝千里,服部康喜,馬場重行,助川幸逸郎,山元隆春,
鎌田均,角谷有一,安藤宏,村上呂里,
丸山義昭,高野光男,小林幸夫,大塚美保,田中実,藤井省三
目次
芥川龍之介『蜘蛛の糸』
〈鈴木三重吉の呪い〉を超えて
――童話『蜘蛛の糸』の誕生 須貝 千里
あまんきみこ『おにたのぼうし』
『おにたのぼうし』の〈語り〉とプロット
――ポストモダンの入口と出口 服部 康喜
新美南吉『ごんぎつね』
『ごんぎつね』試論
――「物語」による共生 馬場 重行
今西祐行『一つの花』
「父」のいない楽土
――寓話として『一つの花』を読む 助川 幸逸郎
宮澤賢治『注文の多い料理店』
鏡のような物語/「紙くづのやうになつた」顔の語り手
――宮澤賢治『注文の多い料理店』論 山元 隆春
宮澤賢治『オツベルと象』
『オツベルと象』
――その語りを読む 鎌田 均
ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』
『少年の日の思い出』、その〈語り〉から深層の構造へ
――「光」と「闇」の交錯を通して見えてくる世界 角谷 有一
太宰治『走れメロス』
『走れメロス』 安藤 宏
魯迅『故郷』
『故郷』(魯迅)における二重映しの〈月〉の風景と〈無〉の思想 村上 呂里
芥川龍之介『羅生門』
芥川龍之介『羅生門』の語りをどう読むか 丸山 義昭
中島敦『山月記』
中島敦『山月記』の新しい「学習の手引き」に向けて
――「読むこと」の共通理解を形成するための前提条件 髙野 光男
夏目漱石『こゝろ』
既成認識と生成認識
――夏目漱石『こゝろ』における書くこと 小林 幸夫
森?外『舞姫』
豊太郎の母〈諫死〉説の再検討 大塚 美保
志賀直哉『城の崎にて』
近代小説の一極北
――志賀直哉『城の崎にて』の深層批評 田中 実
村上春樹『レキシントンの幽霊』
『レキシントンの幽霊』におけるアジア戦争の記憶
――村上春樹“デタッチメント”時代の終わりをめぐって 藤井 省三
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