春琴抄・蘆刈

読んでおきたい日本の名作
春琴抄・蘆刈
谷崎潤一郎
- 谷崎潤一郎 著/注・解説=宮内淳子/エッセイ=四方田犬彦
- 新書判 204頁+口絵2頁
- 2003年10月 発行
- 価格 (税込) 880円(本体 800円+税)
- 読者対象:一般
商品内容
後に「大谷崎」と呼ばれた作家が、古典主義的作品を書いて作風を大きく転回させた時期の創作です。この時期谷崎は、のちに妻となる女性との恋愛に心身を傾注しており、この二編、とりわけ「蘆刈」にそれが色濃く反映していることは、自身が述べているところです。「春琴抄」に見られる創作としての風格、「蘆刈」の夢幻のような世界、いずれも谷崎の豊熟期の傑作で、主人公の女性の造形には恋人の影像が、会話が地の文になだれ込む文体には『源氏物語』などの古典の強い影響があります。その古典の素養ある女性との恋愛と結婚を経て谷崎は、これら古典主義的作品群の上に、『源氏』の現代語訳を手がけ、作家としての力量とエネルギーをいや増しに身に着けて、『細雪』を書いてゆくことになるのです。
目次
「春琴抄」「蘆刈」
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