雁・カズイスチカ

読んでおきたい日本の名作
雁・カズイスチカ
森 鴎外Ⅱ
- 森 鴎外 著/注・解説=古郡康人/エッセイ=川村湊
- 新書判 216頁+口絵2頁
- 2003年10月 発行
- 価格 (税込) 880円(本体 800円+税)
- 読者対象:一般
商品内容
陸軍軍医総監などいかめしい肩書きや、若いうちから「大家」と呼ばれた才筆から、高踏派の頂点のようにいわれる鴎外は、こんなに心やさしい作品を残しているのです。「雁」は、無縁坂の家に高利貸の妾として囲われたお玉のふとした(「逸脱」への憧れのような)恋心が描かれます。「カズイスチカ」は、エリート医学士花房の、千住の町医者として敬愛を集める父を手伝う中での医者としての心構えの微妙な揺らぎが素材です。どちらも、かなりの年数を経て話者が回想するスタイルをとっていますが、市井の人々に向かう鴎外の「心」は、慈しみに充ちています。それは、遺書に「石見の人森林太郎」とだけ刻銘しろといったように、鴎外その人も、ありえたかもしれない市井の中の人生を心のどこかにずっと引きずっていたからかもしれません。
目次
「雁」「カズイスチカ」
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