教育研究所
№1002「マイクロプラスチック」
数年前,海外のスーパーマーケットで買い物をした時,店員さんが買ったものを紙袋に入れてくれた。しかし,スーパーマーケットを出てしばらくすると,中に入れていた冷たい飲み物などが結露して紙袋が破れ,そこら中に品物をばらまいてしまい難儀した。その時,「日本ならちゃんとレジ袋に入れてくれるから,こんなことにならないのになあ」と腹立たしく思ったことを覚えている。
現在,51兆個ものマイクロプラスチックが世界中の海を漂っており,それを動物プランクトンが植物プランクトンと間違えて食べてしまい,その動物プランクトンを魚が食べ,さらに大きな魚がそれを食べるということが起きている。また,海に生息するクジラやウミガメから大量のマイクロプラスチックが見つかったことなども報道されているように,生態系が破壊される危機に瀕している。
プラスチックは私たちの身の回りにたくさんあり便利なものであるが,冒頭の話との関連でレジ袋に関して言うと,日本国内で出回るのは年間20万トンだという。廃プラスチック類は全部で年間約900万トンということなのでわずか2%程度に過ぎないが,レジ袋の代わりにエコバッグを使うなど少々の不便さは我慢し,まずはできるところから環境に負荷をかけない生活を始めることが大切なのではないかと思う。自分だけ便利さを享受し,後世にその負担を負わせることがないようにしていかなければならない。(A・O)
(2019年6月21日)