教育研究所
№1011「男と女のこと・・・」
TV番組で,「こんなことも分からないのか?」「とんでもない考えだ!」「冗談でしょう!!」というようなことを連発し,笑いを取っているタレントがいる。家族は腹を抱えて楽しんでいたが,「まったく!!」と苦虫をつぶしながら視聴していた。
ところが,酒井順子(著書に「男尊女子」集英社¥1400がある)によると,これは,「天然キャラ」を演じるとみんな(特に男は)が喜ぶので,そうしているんだということである。大衆に迎合しているとはいえ,世知辛いこの世を生き抜くための知恵なのだろう。
酒井順子は,「男尊女卑(封建時代のように,女は男に従う存在であるという間違った考え方)」と「男女平等(男と女は,人間としても,人権も,平等である)」の中間を意識して,「男尊女子」という切り込み方をしている人である。
世間にも,職場にも,学校でも「男女平等」と言いながら実際には「男尊女卑」の考えが根強く残っていることについて,やわらかく(実際には厳しく)その見直しを主張し,改革を目指しているのである。
賢い(聡明な)女性が,男性を前にすると「未知のフリ」をすることがあるが,これは男性がそのようにした方が好意的に接遇してくれるからであると言っている。これなどは,「女性は男性を凌駕しません」というサインを送っているかのような表現をしながら,実は,「男は見くびられている」のである。男はもっと賢くならなければならない。
本物の「男女平等」について,子供も大人も,家庭も社会も企業も,先生も児童生徒も根本的に考え直す必要がある。そして,酒井順子に「男女平等の今」という本を書いてもらえるようにしたい。(H&M)
(2019年7月8日)