教育研究所
№1016「自動運転の想定外の事故」
ATO(自動列車運転装置)を搭載した自動運転の電車が,逆走して,乗客が重軽傷を負う事故が起こった。人間の運転士が運転する場合は,もし,運転士に何かあった場合は,機械がそれをフォローするシステムが施されている。しかし,自動運転の場合,無人なので,万一不具合が起きたときはフォローのしようがないのだそうだ。
今回の逆走したことについて,インタビューに対して関係者は「開業以来30年間無事故だったので,このようなことは予想していなかった」「原因は不明である」ということで,「これから原因を突き止め,今後このようなことがないように万全を期したい」旨のことを述べている。
現在,電車の無人運転,バスやタクシーの無人運転が実現に向けて,試行されているようである。AIの発達が,乗り物だけでなく,あらゆる分野に「AI搭載のロボット」が実際に活用されつつある。このような状況は,今後ますます加速化するであろう。
ところで,軌道車であるから逆走しても今回程度(もちろん被害者の方々は大変だったと思うが...)の事故で済んだが,バスやタクシーの場合には,バスやタクシーだけではなく,歩行者や周りの自動車,建物などが沢山あることからさらなる大惨事につながることが起こり得ると,素人考えをしてしまう。「無人化」の流れを止めることはできないだろうが,何が起きるかは想定できないにしても「不具合が起きる」ということは予測できるので,一層の「人間」の安全・安心の確保に努めていただきたい。
ところで,授業展開や学習評価にICTやAIの活用を推奨する向きもある。しかしながら,教師の温かい眼差しや児童生徒を思う「手作り」の面も大事にしていくことは省略できないと考えるが,いかがであろうか。(H&M)
(2019年7月16日)