教育研究所
№1018「算数・数学のデータの活用」
今回の小・中学校の学習指導要領の改訂で、「統計教育の充実(統計的な問題解決の力を育てる)」を目的に、算数科の「数量関係」のうちの表やグラフ、数学科の「資料の活用」が、領域「データの活用」に改められた。
小学校算数科では、1年「仲間づくり、個数を絵や図で表すこと」、2年「分類整理、簡単な表やグラフ」、3年「データの分類整理、棒グラフ、二次元表」、4年「折れ線グラフ、折れ線グラフと棒グラフの組み合わせ」、5年「帯グラフ・円グラフ、複数の帯グラフの比較」、6年「代表値(平均値、最頻値、中央値)、ドットプロットと散らばりの考察、度数分布表・柱状グラフ、人工ピラミッド」など、充実された。
ところで、最近、調査結果の仕方や集計の仕方、結果の分析や解釈の仕方が、「不十分」、「間違い」、「改竄」、「一部隠蔽」、「不適切」などということで,新聞やTVで報じられることが少なくない。場合によっては、著名な学者が「小学生でもこのような間違いはしない...」とコメントするくらいお粗末なものもあるようだ。
小・中学校を通じて、学習指導要領で、「データの(正しい)活用」を重視したことは誠に時宜を得てものと評価してよいように思われる。
ついでに話をさかのぼることにしよう。戦前(昭和20年(1945年)8月以前)は、統計教育が行われていなかったかのように誤解している人が少なくない。極端なことを言う人の中には、日本の統計教育が重視され出したのは、数学教育の現代化(昭和43年(1968年)頃)以降であるとさえいう人もいる。
でも、調べてみると、戦前の算術教科書(昭和13年(1938年)頃の国定教科書、表紙が緑色だったので俗称「緑表紙」と言われているフルカラー印刷)には、各学年ごとに、素朴なものながら発達段階に応じた統計的な内容が取り上げられている。
ものごとを統合的・発展的、創造的に考えていくためには、「全く新しいもの」と思い込まず、「源流」を探り、「ゼロ(0)からの出発」をやめ、「何をさらに良く」し、「何を改善」し、「何を断捨離」し、「何を新規導入」、していくかという発想をしなければならない。(H&M)
(2019年7月18日)