教育研究所
№1038「One Team」
今年の「新語・流行語大賞」に「One Team」が選ばれた。この言葉はラグビー・ワールド・カップでベスト・エイト入りした日本代表のスローガンである。日本代表31人には,7か国15人の海外出身選手が含まれている。どんなに強いチームでも選手全員の心が一つにならなければ,一人一人の選手の力が十分に発揮されず,チームとして機能しない。多様な選手が「One Team」として結束したからこそ素晴らしい結果が得られたといえる。
この言葉が選ばれたことについて,街の人にインタビューをした報道の中で,若いサラリーマンが「上司がよく『One Teamで行こう』というが,掛け声ばかりで実際に何の取り組みもない」というようなことを話していた。日本代表は,厳しい練習を繰り返す中で,日本の文化や伝統を共に学び,気持ちを一つにしてきたという。日本チームのメンバーだったフッカーの堀江翔太選手は別のインタビューで「言葉を使えば『One Team』になれるというわけではない。どういうふうに『One Team』にするかが大事で,中身をしっかり考えて使ってほしい」と話している。
「チーム学校」を掲げる学校をよく目にする。一つのチームとして力を発揮していくために,どのような取組をするのかを明確にすることが大切だと改めて思った。(A・O)
(2019年12月18日)