教育研究所
№1054「日記に関するエトセトラ」
その1 1991年1月1日
10年日記をつけ始めた日である。
たまたま、1990年の10月頃だったと記憶しているが、友人からB5版の10年日記をもらった。書き続けると、この日記に記録する最終日は2000年12月31日、まさに20世紀末の日である。
それまで日記をつけようと思ったことはあったが、小学校の宿題で書いた日記以外には書いた経験がなかった。教員になった日から学校に関わることだけ、専用のノートを使って記録はつけてきていたが。
そんな私だったが、1991年1月1日の夕刻、この10年日記を開き、何となくその日にあったことを記録してしまった。きっと続かないだろうなあと思いながら...。
ところが気がつくと一か月が過ぎ、一年が過ぎ、そして10年間がたってしまった。
自分でもよく続いたと思う。ただ、一日200字くらいの量だったので続いたのかもしれない。
その2 2001年1月1日
一日1ページの日記をつけ始めた日である。
自分で購入したA6版の日記帳である。前年の夏ころから10年日記が終わったらどうするのだろうと何となく自分でも考えていた。せっかく、どうせ続かないと思っていた日記が10年も続いたので、「ここで終わらせる手はない」と考えた。
そして、本格的に日記を書いてみたいと思いはじめ、世紀末の9月頃から新世紀から使う一日1ページの日記帳を物色していた。そして、ある日、気に入った日記帳を見つけ、それに書き始め、現在まで続いている。21冊めになる。
1ページ34行あり、この日記帳を使い始めた日から必ず31行めまでは埋めると自分に課してきた。なぜ、31行めまでと設定したのかはよくわからない。ただ、もともとズボラな性格なので、そのように自分を縛らないときっと途中で適当になってしまうと思ったからだ。
34行の中に、その日の主な行動、その日にあった出来事、考えたことなどを書き込んでいる。だいたいが夜寝る前に30分ほどかけて書いている。勿論、旅行に行こうと病気であろうと、その日のうちに書くことを基本にしている。
妻が「それ書いて何になるの?」という。私は「そう思う人には書けないね!」と返す。
はらわたが煮えくり返るようなことがある。また、時には感激して涙を流すようなこともある。それらのことを淡々と書いていく。不思議と心が落ち着いてくる。書くことで一日を静かに振り返り、自分の言動を整理し、反省したり、納得したり、その後の自分の在りようを考えたりすることで、翌日からの活力が湧いてくる。
その3 2022年度版の日記帳
私が2001年から使い続けているのは、「LETTS」というイギリスのメーカーのT11Xという日記帳である。
使い始めた当初はいろいろな文具店を回って購入していたが、途中からはあるデパートに入っている大型文具店に注文し取り寄せてもらうようになった。
今年も9月中旬にいつものように注文にいった。すると、他の対応をしていた男性店員が「〇〇さん(私の苗字)、今年はいらっしゃらないのでどうしたのかと思っていました」と声をかけてくれた。時々、この店で文具を購入することはあっても、その男性店員に個人的に声をかけられたことはなかった。
毎年のこととは言え、日記帳を購入しに行って、その男性店員に対応してもらったことはなかったので、正直驚くと同時に、ちょっと嬉しくなった。
10月に入り、入荷したとの連絡があったので購入しに行った。その男性店員は別のところで接客をしていたので、購入を終えて今回は私が声を掛けに行った。
「連絡があったので頂きに来ました。今年もお世話になりました」
「いらっしゃっているのはわかっていました。わざわざお声掛けいただきありがとうございます」
何かとてもすがすがしい気持ちになった。勿論、このことは、この日の日記に記した。
まもなく新年を迎えます。(まだ、ちょっと早いかもしれませんが)
この駄文を読んで、「よし、来年から日記をつけてみよう!」と思っていただければ幸いです。
いえ、思うだけでなく、早速、日記帳(もちろんノートでも)を購入し、2022年1月1日に備えてください。(S.E)
(2021年11月5日)