教育研究所
No.377 「夏の植物教材(小学校1~3学年)」(2014年7月7日)
夏の盛りを迎え校庭や花壇,畑の草木は大変な成長ぶりかと思います。
今回は1~3学年の7月と9月頃の植物教材の指導方法に触れてみたいと思います。
[1学年]
アサガオは毎朝開花し,早朝の子供たちの歓声が聞こえてきます。
五感を使った観察力を高めるために,植木鉢を机上に持ち込み八切りの画用紙に大きな絵を描かせるとよいでしょう。
美しい合弁の花冠ばかりでなく,五個のがく片も忘れず描くようにしましょう。
横から見た絵が中心になりますが,花を上からのぞいた絵も描かせると,めしべやおしべにも気付くことでしょう。
余白に葉の形を描かせたり,葉を触った毛の感触もメモしておきましょう。
さらに校庭でアサガオのようなつるの植物を探したり,つりがね型の植物を見つけたりして視野を広げましょう。
緑色の実ができましたらこれも描きますが,先生が実を横断して配布し,実の中は3室でできており6個の種子があることも描くとよいでしょう。
また,草花遊びも大いに楽しみましょう。
[2学年]
2学年はどんな植物を栽培しているのでしょうか。
オシロイバナやホウセンカ,ヒマワリや野菜類でしょうか。
1学年のように絵に描かせるとよいでしょう。
トマトやナスなどの花は小さいのですが,画用紙いっぱいに描かせると細かいところまで丁寧に見てくれます。
先生が花を縦断したものを配布して,おしべやめしべのようすも描かせるとよいでしょう。
2~3種類の花を描かせると,植物の多様性の一端を感じることができます。
葉を触らせて描かせたり,実を切って描かせたりして,観察する力を高めるとよいでしょう。
タンポポやススキなどの草花遊びや野菜パーティーで楽しい学習にしましょう。
[3学年]
3学年の植物教材の目標は,一つは,植物を育てて種子から育つ順序と種子によって次の代に生命を受け継ぐことを学びます。
二つは,植物の体は根,茎,葉からできていることを学びます。
一つ目の育つ順序については,2~3種類(草と樹木)の植物を育てながら,10~15日毎に草の高さ,葉の枚数,決めた葉の大きさ,変化の様子(発芽,開花,結実など)を画用紙に絵や文章で記録し蓄積していきます。
7月と9月は開花,結実の時期ですから,花の概観や横断した花,縦断した花を絵や文章で記録します。
果実についても同じように記録しておいて,秋のまとめの学習に使います。
まとめの学習は,記録を見て思い起こしながら,どの草も種子が発芽し成長して花を付け果実になり,果実の中の種子を残し枯れてしまうことを把握します。
樹木についても草と比較し,種子を作るまでは同じですが枯れないで何年も生き続けることを理解します。
二つ目の植物の体は根,茎,葉からできていることについては,上の観察を続けながら秋のまとめの学習では,2~3種類(草と樹木)の植物を比較して,どの植物も根,茎,葉からできていることを調べます。
花や果実が入らないのは,植物であってもコケ類やシダ類には花や果実がないので入れないのです。
4~6学年については,次回に触れたいと思います。(Y・H)