教育研究所
No.373 「頑張れ!Y君」(2014年6月9日)
私の知っている小5のY君は,落ち着きがなく,けじめがなく,勉強嫌いで,友達も少なく,担任の先生から注意,注意,注意の連日である。
(誤解してもらっては困るが,両親は,このようなY君を宝物として可愛がっている)
ある日,カーラジオからコマーシャルが流れた。その一部が次のようなものだった。
「お父さん,オムレツが,こんなにぐちゃぐちゃになってごめんなさい」
「平気,平気,おなかの中に入れば形なんて関係ないよ」
「お父さん焦げてしまってごめんなさい」
「いや,香ばしくておいしいよ」
「ケチャップがなかったので,トマトジュースに蜂蜜を入れて作ったのでまずいでしょ」
「とんでもない,オリジナルの味で感激しているよ」
という内容だった。
(私は高齢者のため正確には復元できていないが・・・)
Y君,「この子,幸せだね。」「このお父さん素晴らしいね。」と独り言を言いながら,心の底からの微笑みを浮かべていた。
ほめられるということに飢えていたY君は,ラジオのやり取りを,自分もこうなったらうれしいなと感じつつ,自らを重ねて至福の心持ちになっていたに違いない。
Y君がんばれ!みんな応援しているよ。君にはいいところが一杯あるって,転勤した川畑先生が言っていたそうだよ。
え~と,あのおばさんが聞いたんだって。Y君のいいところを頑張って,もっともっと良くしようね。
5年生にもなって,動物を飼うことや植物を観察したり育てたりすることが好きなんて変わっているね,なんていう友達のいうことを気にしないで。これからも思う存分に,動物と植物のことを調べたり楽しんだりしてね。
でも,もっと深くやるためには,勉強もしようね。
学校の先生はね,どの子もよくしたいと思っているんだよ。
だから,良いことをほめるよりも,悪いところを一つでも治してあげようと思っているんだよ。(H・K)