教育研究所
No.354 「出会うこと」ということ(3)(2013年07月24日)
先日ひょんなことから,すてきな出会いの機会を得ることができた。
地域の小学校から,防犯マップづくりをするので,「学校に来てほしい」と誘われ出かけていった。
そこで小学校4年生の子どもたちの「防犯マップづくり」に同行するということになった。
実は,数年前に近所の方に誘われ,地域の自治会の防犯部に所属して,ささやかな防犯活動を続けてきた。
夏休みや冬場に地域の防犯パトロールをするなどの自治会の行事の手伝いが主な仕事であった。
今までに防犯部として,学校から何かを頼まれるという経験はなかったので,「何をするのだろう」と,とても興味深かった。
以前,教職にあったとき,学校の防犯マップづくりをしたことがあり,そのときのことを思い出した。
生徒や地域の方のそれぞれの情報をもとに,教職員で校区内の地図に注意する場所に目印等を入れたりしたことである。
しかし,頼まれた防犯マップづくりは,私のイメージしていたことと違っていた。
まず,子どもたちが,分担して地域をまわり,子どもたち自身で防犯上危険なところを見つけることだった。
たとえば,駐車場がL字型になったりしていて,死角になっているところはないか,公園の植え込みが繁っていて,すっぽり隠れてしまうところはないかなどである。
大人の目線と違い,子どもの目線では地域の様子が大きく変わり,見え方が違ってくる。
そして,子どもたちは,それぞれが携行している地図に印をつける。
写真係はその場所の写真を撮る。
危険な場所ばかりでなく,「ピーポの家」(危険があるときに駆け込める家や店舗)の場所にも印をつける。
私たちの仕事は,子どもたちが,自主的に防犯マップづくりを進めていく上での,安全の配慮をすることであった。
私が同行した男子3名,女子4名のブループは,リーダーを中心によくまとまっていた。
「この地点は地図の上ではどこだろう」
「ここだよ」と協力し合っている。
「写真撮った?」
「じゃあ,出発!」と,てきぱきしている。
この子どもたちは,通学路になっている我が家の前を毎日通りながら登校しているのだろう。
私には,大勢の中の1人としてしか見えなかった子どもが,顔の分かる存在となった,どの子どもも生き生きしている。
わずか2時間ほどの付き合いだったが,すてきな出会いだった。「やはり,子どもっていいな!」私の感想である。
これから,防犯マップづくりは,フィールドワークのまとめ,校区全体の地図づくりが進んで行くのだろうか。
全体の発表などで情報を共有し,安心,安全な生活のための,防犯が達成されることを願いたいと思った。(K・T)